平成28年税制改正 中小法人が抑えるべきポイント

Print Friendly

平成28年度の税制改正も、前年と同様に法人税改革がメインになっています。経済成長重視のいわゆる骨太方針の下、法人実効税率の20%台への引下げが1年前倒しで実施され、この代替財源として課税ベースの拡大と外形標準課税の適用範囲の見直しが行われました。
但し中小法人等につきましては、引続き経営環境が厳しいことから、今回も負担増となる改正は見送られています。以下、中小法人等が実務上抑えるべきポイントを、6項目に絞ってご説明しましょう。

1.法人税率の引き下げ

平成28年4月1日以降に開始する事業年度から、法人税率が23.4%(現行23.9%)に引下げられます。
中小法人等(資本金1億円以下の会社など、以下同じ)の年800万円以下の所得に対する税率は、15%のまま据え置きです。
国税・地方税とも、法人課税関係の税率が目まぐるしく変更になっていますので、適用税率を正確に把握する必要があります。

2.法人住民税法人税割の税率引下げ

平成29年度から、法人住民税(道府県民税・市町村民税)法人税割の標準税率と制限税率が引き下げられます。
道府県民税は標準税率が3.2%⇒1.0%(制限税率は4。2%⇒2.%)に、市町村民税は標準税率が9.7%⇒6.0%(制限税率は12.1%⇒8.4%)になります。

3.欠損金の繰越控除制度の見直し

平成27年税制改正で見直しが行われた欠損金の繰越控除制度が、1年足らずで再度変更されました。平成27年4月1日以降に開始する事業年度からの控除限度額は所得金額の65%、平成29年4月1日以降に開始する事業年度からは50%でしたが、これが28年以降に各年5%づつ引下げられ、平成30年度からが50%になります。繰越し期間は、平成29年度以降に生じた欠損金から10年(現行9年)に延長されていますが、これが平成30年度以降からの延長に変更になりました。。
中小法人等については、現在のところ控除限度額の規制が有りませんので、繰越し期間の延長のみ御留意下さい。

4.減価償却制度の見直し

建物付属設備・構築物の償却方法については、現行定額法又は定率法の何れかを選択できますが、これが定額法に一本化されます。また鉱業用減価償却資産についても定率法が廃止され、定額法又は生産高比例法の何れかの選択になります。これは平成28年4月1日以降に取得する有形減価償却資産に適用されるもので、これより前に取得したものに就いては従前の償却方法で差し支えありません。

5.通勤手当の非課税限度額

通勤手当の非課税限度額が、月額15 万円(現行10 万円)に引き上げられました。

6.雇用促進税制の見直し

雇用促進税制(本則部分)の適用対象が、地域雇用開発促進法に定める一定の事業所に限定されることになりました。これに伴い、都心部など対象地域以外の企業にとっては雇用促進税制が実質的に廃止されたと同様の効果になります。

7.企業版ふるさと納税制度(地方創生応援税制)の創設

青色申告法人が、一定の地方創生事業に関連する寄付金を地方公共団体に対し支出した場合には、損金算入に加えて法人事業税・法人住民税・法人税から税額控除が出来ることになりました。この詳細は、別稿「企業版ふるさと納税の有効活用」をご参照下さい。

 

*本記事に関する質問や相談をご希望の方は、お電話又はホームの「ご質問/お問い合せ」を利用してご連絡下さい。
ご来店での初回相談は無料とさせて頂いております。
*申告その他の実務をご希望の方は、ホームの「料金のご案内」をご参照下さいます様お願い申し上げます。

関連記事: