高齢者の相続税対策に特化した保険商品は、或る意味特殊な領域なので絶対数はそれ程多くないと思います。加えて超低金利下で資金運用が難しく、一時払い終身保険の販売・募集を暫時停止した保険会社があるとも聞いて居ります。私共が取引しているN証券の取扱保険商品リストには、現在10種の終身保険商品が掲載されています。ただ一口に終身保険と言っても、外貨建てで運用するものや定期分配型のものがありますので、こうした商品は厳密な意味での相続税対策には馴染みません。また加入年齢制限がご希望に合わない場合も有りますので、実際に使えるのは2~3種と言った処でしょうか。年齢は90才まで加入できる商品が有りますが、これを超えると難しいと思います。認知症などでご本人の契約意思確認が出来ない場合は、加入することが出来ませんので御留意下さい。具体的な相続税対策の立案や、保険商品の選定をご希望のお客様は、証券会社とのタイアップでお手伝いさせて頂きます。
先ず生命保険契約を使った相続税対策のポイント(個別条件)を整理しましょう。この目的に合致した商品の中から選ぶことになります。
①死亡保険金受取人が指定できること
これにより特定の個人に所定金額が遺せるので、遺言と同じ効果が得られます。死亡保険金は、相続財産ではなく受取人固有の財産です。従って遺産分割協議の対象外になりますので、面倒な遺留分争い等から除外されます。保険金受取人は、特定の親族に限定したものが多く見られます。
②死亡保険金を納税資金として使えること
多くの商品では、死亡保険金を一時払いで受取るか年金で受取るかの選択が可能です。納税資金で余ったものを、年金で受取ることも出来ます。
③生命保険金の非課税枠が利用できること
非課税対象となる生命保険金は、被相続人が被保険者であり且つ被相続人が保険料を負担したものに限られます。非課税限度額は、500万円×法定相続人数ですので、これとの兼合いで基本保険金額を決めれば良いでしょう。
④生命保険金が一時払い保険料の額を下回らないこと
終身保険には、外貨建てで運用するものや契約期間中に定期金支払いが行われるものがあります。こうした商品は、運用次第で予定した金額の生命保険金が受取れない場合があります。また終身保険には、一時払い保険料の2.5%~5%程度の契約初期費用が掛かります。解約すると、これが一時払い保険料から控除されますので、早期解約の場合は返戻金が元本を下回ることがあります。尤も、本件利用目的からして中途解約は考えにくいので、懸念する必要はないでしょう。
⑤年齢制限や告知義務が個別条件に合致していること
年齢制限が70才以下の商品や、既往症等に関する告知義務が厳しい商品では、本件の利用目的に合致しません。
ではここで、M生命保険の定額終身保険の主要契約内容をご紹介しましょう。
<年齢制限> 70才~90才(入院中の者や入院予定の者、自ら保険契約意志が確認できない者は除く)
<基本保険金額> 200万円~5億円
<死亡保険金受取人> 3親等以内の親族
<告知義務> 健康状態や職業等に関する告知義務はない。
<保険料支払い> 一時払いのみ
<その他> 配当金支払い、契約者貸付金制度はなし。基本保険金額の増額変更はできない。
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