欠損金の繰戻し還付制度についてのご質問

Print Friendly
資本金1千万円のITコンサルティング業を営む株式会社です。黒字基調ですが、今後の事業拡張のため積極的な設備更新投資を行なった結果、今期は欠損金が生じることになりました。中小法人については、欠損金の繰戻し還付が認められるそうですが、法人税のほか住民税・事業税についても概要をご説明頂けますでしょうか?

 

平成21年度の税制改正で、資本金(出資金)が1億円以下の法人(大規模法人の子会社等を除く)に就いては、欠損金の繰越控除制度のほか繰戻還付制度の適用が認められています。前事業年度が黒字で今期が赤字の場合、下記解説の3要件を満たしていれば欠損金の繰戻し還付が受けられます。前期の所得金額で今期の欠損金をオフセットしきれない場合は、残余の欠損金をその後9年間(平成30年4月以降の開始事業年度は10年間)に亙り繰越控除することができます。
地方税ですが、残念ながら法人税の様な繰戻還付制度はありません。法人住民税(法人税割)及び法人事業税ともに、繰越控除を行うことになります。この結果、国税と地方税で繰越欠損金額に差異が生じることになります。加えて法人住民税と法人事業税でも控除計算の仕組みが異なるため、繰戻し還付請求をした欠損金相当分の差異が生じます。

1.法人税の繰戻し還付制度
前事業年度に納付した法人税(及び地方法人税)の還付請求が出来る3要件は次の通りです。
①還付所得事業年度から欠損事業年度の前事業年まで連続して青色申告書である確定申告書を提出していること。
②欠損事業年度の確定申告書を青色申告書により提出期限内に提出していること
③②の青色申告書と同時に「欠損金の繰戻しによる還付請求書」提出していること

還付請求できる金額は、次の算式で計算されます。限度金額ですので意図的にこれ未満に抑えて、繰越控除に廻すことも可能です。
還付所得事業年度の法人税額X欠損事業年度の欠損金額(分母の金額が限度)/還付所得事業年度の所得金額

2.地方税の繰越控除制度
ⅰ)法人住民税
法人住民税(法人税割)では、還付を受けた法人税額を、その後9年間(平成30年4月以降の開始事業年度は10年間)の各事業年度で、法人税割の課税標準である法人税額から控除します。
控除を行う際は、控除対象還付法人税額の控除明細書(第6号様式別表2の3)を申告書に添付する必要があります。欠損事業年度については控除の対象となる住民税(法人税割)が無い訳ですから、当然提出の必要はありません。
ⅱ)法人事業税
法人事業税では、法人税の繰戻し還付の基礎となった欠損金額を、その後9年間(平成30年4月以降の開始事業年度は10年間)の各事業年度に繰り越して控除します。
控除を行う際は、欠損金額等及び災害損失金の控除明細書(第6号様式別表9)を申告書に添付する必要があります。また義務では有りませんが、欠損金事業年度の法人税確定申告で提出した「欠損金の繰戻しによる還付請求書」を添付するのがベターです。
欠損事業年度から提出する必要があります。

*本記事に関する質問や相談をご希望の方は、お電話又はホームの「ご質問/お問い合せ」を利用してご連絡下さい。
ご来店での初回相談は無料とさせて頂いております。
*申告その他の実務をご希望の方は、ホームの「料金のご案内」をご参照下さいます様お願い申し上げます。

関連記事: