収入がある妻の高額な歯科自由診療費は、夫の確定申告で医療費控除が認められるかとのご質問

Print Friendly, PDF & Email
材木の卸売業を営んで居ります。昨年妻が歯の治療を行いましたが、自由診療でオールセラミックの冠材を使用したため60万円もの高額な治療費が掛かって終いました。加えて妻には義父から相続したアパートの賃料収入があり、合計所得金額が38万円を超えています。この場合でも、妻の歯の治療費を私の医療費控除に含めて確定申告をしても良いのでしょうか?

 

自由診療であっても金やセラミックの冠材を使った歯の治療は一般的に行なわれていますので、奥様の治療費は医療費控除の対象になります。また医療費控除の適用が認められる親族の範囲ですが、医療費を支払った者と生計を一にする配偶者その他の親族であれば良く、配偶者控除の様に所得要件(合計所得金額が38万円以下)が有りませんので、奥様にアパート賃料収入が有ったとしても適用が認められます。

医療費控除に関連する法令及び通達ですが、意外なほど簡単です。

医療費控除の対象となる医療費とは、医師又は歯科医師による診察又は治療、治療又は療養に必要な医薬品の購入その他医療又はこれに関連する人的役務の提供の対価のうち通常必要であると認められるものとして政令で定めるものを言います。政令で定める対価とは、医師又は歯科医師による診療又は治療/治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価のうち、その症状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額です。(法73条②、令207条)
医療費控除の対象となる医療費は、社会保険診療の対象になるものに限る(=自由診療は駄目)とは、法令の何処にも書かれていません。通達に於いても同様です。自由診療であったとしても、症状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えるものでなければ医療費控除の対象になります。
一方通達には対象外の事例として、(健康診断及び美容整形手術のための費用)と(医薬品の購入の対価)に関する留意事項が書かれています。要は、疾病の予防や健康増進の為に支出する費用は控除対象外と言うことですので注意しましょう。

自己と生計を一にする配偶者その他の親族の範囲については、通達で発生時又は支払い時の現況に於いて生計を一にし、かつ親族である者と明記されています。これ以外の規定はありません。

 
質問や相談をご希望の方は、ホームの「ご質問/お問い合せ」をご利用下さい。ビデオ通話での打合せも可能です。
申告その他の実務をご希望の方は、ホームの「料金のご案内」をご参照下さいます様お願い申し上げます。

関連記事: