私道を挟んだ隣地を取得した場合の小規模宅地等の特例に関するご相談

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父から相続した古い戸建て住宅に、母が一人で暮らしています。隣地が売りに出される様なのでこれを母が購入し、自宅の新築を考えています。将来母の相続が発生した場合に、新旧の宅地全体(330㎡超)で小規模宅地等の特例(居住用)の適用が受けられるでしょうか?因みに母が所有する敷地と隣地との間には、現在私道が通っています。この所有権者は母です。特例の適用を受けるには、二つの宅地が地続きでないと駄目でしょうか。相続人は娘の私一人で,母とは別生計です。現在賃貸マンションに住んでいますが、新築後には同居の予定です。古家の取壊しですが、小規模宅地等の特例適用がどうなるかに由り決める予定です。

 

私道が建築基準法上の道路として利用されているのか、或いはご実家への通路(路地状敷地など)として専有利用されているのかにより適用関係が異なります。もし前者であれば、宅地の評価単位は、①現在建っている自宅の敷地、②私道部分、③隣地の3つに分かれますので、居住用として適用対象宅地等になるのは新築家屋の敷地となる隣地のみです。
この場合、無理に古家を取り壊す必要は有りません。リフォーム等をして賃貸すれば、此方は貸付事業用の適用対象宅地等になります。空き家として放置又は取壊した場合には対象外です。両方を合わせた地積が330㎡を超えるとのことですので、面積制限により、貸付事業用宅地等に就いては一部だけ特例の適用が受けられます。
相続開始の直前において、貴方が新築家屋でお母様と同居しているのであれば、適用を受けられる親族の要件に合致します。この場合、生計を一にしているかどうかは関係がありません。

宅地の評価単位がどうなるかの検討が必要です。現場視察及び市区町村の開発指導課で建築基準法上の道路であるかどうかを確認します。私道を廃止し、一体として新築住居の敷地の用に供することが出来ればベストですが、廃止により近隣の建築物が接道条件を満たさなくなるとか、第三者の通行権等を侵害する様であれば「私道廃止届出書」を提出しても認められる可能性はありません。
宅地は利用の単位となっている一画地ごとに評価します。自用地を一人の所有者が自ら使用している場合は、全体を一画地として評価します。私道が不特定多数の者に利用されているのであれば、自ら使用している宅地とは利用単位を異にします。2宅地の間に建築基準法上の私道が有るなら、評価単位は当然3つになります。この内お母様の居住用家屋の敷地の用に供される隣地のみが、特定居住用宅地等として80%評価減の対象です。一方古家の敷地ですが、相続発生時に古家が賃貸されていれば、貸付事業用宅地等として50%評価減の対象になりますのでご検討されては如何でしょうか。
特定居住用宅地等と貸付事業用宅地等を併用する場合の面積制限ですが、特定居住用宅地等の面積×200/330+貸付事業用宅地等の面積の合計が200㎡までとなります。
もし旗竿地などで自宅への通路として専有利用しているのであれば、私道ではなく建物の敷地の一部になりますので、併せて一画地として評価します。隣地購入後に古家を取壊し、全体を新築の居住用家屋の敷地として利用するのであれば、新旧宅地プラス私道の全体が一区画の宅地として特定居住用宅地等に該当します。

お尋ねには、新築家屋の所有者が何方になるか書かれていませんが、仮に貴方が建築費を負担して貴方名義で建物保存登記をしても、小規模宅地等の特例(居住用)の適用には支障が有りません。お母様が所有する宅地の上に貴方が所有する建物が有ったとしても、使用貸借契約であれば大丈夫です。措置法には、”相続開始の直前において当該宅地等の上に存する当該被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物”と有るだけで、当該建物の所有者が誰であるかについての制限はありません。

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