シンガポール在住の方から日本での不動産賃貸並びにFX取引の確定申告に関するご相談

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2014年に転出し、現在はシンガポールに在住しています。日本で不動産を賃貸していますが、減価償却費差引きの所得金額は僅かです。知り合いの税理士さんに確定申告の相談をしても、まぁ良いんじゃないと言った対応でした。家賃収入は源泉徴収されていません。管理会社に掛け合いましたが応じて貰えませんでした。2016年は日本での投資がマイナスになる可能性があるため、確定申告は見合わせようかと考えております。2017年以降は雑収入、為替トレードの利益が期待され、加えて家賃収入もありますので、確定申告をする積りですが、非居住者の年1回程度のスポット業務でも引受けて頂けますでしょうか?因みに私は個人事業主ではありません。日本ではサラリーマンをしていましたし、シンガポールでもサラリーマンです。

 

1.不動産所得は所得税法&日本・シンガポール租税協定に定める日本の国内源泉所得なので、所得税の確定申告(総合課税)をする必要があります。但し日本での給与収入が2千万円以下且つそれ以外の国内源泉所得金額の合計が20万円以下(不動産収入が3千万超の場合を除く)であれば、確定申告は不要です。なお青色申告者については、不動産所得が赤字で純損失が発生する場合、確定申告をしなければ繰越控除の適用がありませんのでご留意下さい。
2.家賃の源泉徴収ですが、借主が法人の場合は徴収義務あり、借主が個人で自己や家族が住んでいる場合は徴収義務がありません。
3.日本にあるFX口座の取引利益ですが、日本にP/E(恒久的施設)を有する非居住者であれば、課税の対象(P/E帰属所得)になる可能性があります。然しながら貴方の場合はP/Eを有しませんので、FX口座の取引利益は国内源泉所得に該当せず、従って課税対象外となります。因みに賃貸不動産の所有は、日シ租税協定に定めるP/Eには該当しません。
4.SPOTベースでの所得税申告もお引受けしています。非居住者が日本で確定申告をする場合は、納税代理人が必要ですのでその様な受任形態になろうかと思います。

1.非居住者に対する課税
非居住者は国内源泉所得のみが日本での課税対象になります。また先の税制改正で、平成29年分から非居住者に対する課税原則が帰属主義に改められました。この辺りのチエックも必要です。
実務では所得税法に照らして、①恒久的施設(P/E)1-3号の何れかを有しているか否か②国内源泉所得の種類は何か③総合課税か分離課税か④対価支払時に源泉徴収されているかどうか等をチエックし、更に居住地国と日本が締結した租税協定も確認する必要があります。結構、難易度が高い面倒な作業になります。
先ず、ご相談者が日本に恒久的施設を有しているかどうかの確認です。所得税法では恒久的施設を、1号P/E(支店・工場その他事業を行う一定の場所)2号P/E(1年を超えて行う建設作業等の場所)3号P/E(契約代理人)の3つに区分していますが、本件は何れにも該当しません。また租税協定に定めるP/Eも同様の定義です。従ってP/Eを有しない非居住者として、所得税法第161条①項各号に掲げる国内源泉所得が有るかどうかを調べることになります。不動産所得は所得税法にも租税協定にも課税対象であることが明記されています。一方FX取引は、P/Eを有しないので課税対象外です。
源泉徴収の有無ですがご相談者は個人に賃貸されています。賃借人はご家族の自宅として使用されていますので、源泉徴収の必要は有りません。
なお非居住者の不動産所得については総合課税が適用されます。仮にFX取引が課税対象とすれば、分離課税が適用されます。
2.非居住者の確定申告
ご相談者は日本で給与の支給を受けていません。給与以外の所得は現在の処不動産所得だけですので、20万円超であれば確定申告をしなければなりませんが、20万円以下なら確定申告の必要は有りません。総合課税とされる所得を有する非居住者の申告・納付及び還付に就いては、居住者のそれを準用することとされています。また被居住者の確定申告は、納税管理人を選定してその者を通じて行う必要があります。
不動産所得が赤字の場合は、3年間の繰越控除制度を利用し他の所得と損益通算をすることが考えられます。これには青色申告承認申請書の提出が必要です。青色申告の場合は、65万円(又は10万円)の特別控除を受けることも出来ます。
ご参考までに、その年に先物取引の差金決済等で赤字が出た場合は他の先物取引等の黒字と損益通算をしますが、通算し切れなかった損失は翌年以降3年間に亙り繰越控除をすることが出来ます。これには一定事項を記載した確定申告書を連続して提出することが必要ですが、不動産所得の様に青色申告である必要はありません、

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