この場合、無理に古家を取壊す必要はありません。リフォーム等をして賃貸すれば貸付事業用小規模宅地等の特例対象になります。空き家として放置又は取壊した場合には対象外です。両方合わせた地積が330㎡を超えますので、面積制限により貸付事業用宅地等に就いては一部だけが評価減の対象になります。
相続開始の直前において、貴方が新築家屋でお母様と同居しているのであれば、摘要を受けられる親族の要件に合致します。この場合、生計を一にしているかどうかは関係がありません。
宅地の評価単位がどうなるかの検討が重要です。現場視察及び市区町村の開発指導課で建築基準法上の道路であるかどうかを確認します。私道を廃止し、一体として新築住居の敷地の用に供することが出来ればベストですが、廃止により近隣の建築物が接道条件を満たさなくなったり、第三者の通行権等を侵害する様であれば、「指導廃止届出署」を提出しても認められる可能性がありません。
宅地は利用の単位となっている一画地ごとに評価します。自用地を一人の所有者が自ら使用している場合は全体を一画地として評価します。私道が不特定多数の者に利用されているのであれば、自ら使用している宅地には該当しません。2宅地の間に建築基準法上の私道があるなら、評価単位は当然3つになります。この場合、お母様の居住用家屋の敷地の用に供される隣地のみが居住用小規模宅地等の特例対象です。一方古家の敷地については、相続発生時に賃貸されていれば貸付事業用宅地等として50%評価減の対象になります。不動産有効活用の見地からもご検討されては如何でしょうか。
特定居住用宅地等と貸付事業用宅地等を併用する場合の面積制限ですが、特定居住用宅地等の面積X200/330+貸付事業用宅地等の面積の合計が200㎡までとなります。
旗竿地で自宅への通路として専有利用しているのであれば私道ではなく建物敷地の一部になるため、全体を一画地として評価します。隣地購入後に古家を取壊し、一体利用するのであれば、新旧宅地プラス私道の全てが居住用小規模宅地等になります。
お尋ねには、新築家屋の所有者が何方になるのかが書かれていませんが、仮に貴方が建築費を負担して貴方名義で建物保存登記をしても、小規模宅地等の特例適用には支障がありません。土地の使用貸借契約であれば大丈夫です。措置法には。”相続開始の直前において当該宅地等の上に存する当該被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物” とあるだけで当該建物の所有者が誰であるかのついての制限はありません。
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