分筆されていない宅地には小規模宅地等の特例の適用がないとの誤解

Print Friendly
半年前に夫が亡くなりました。相続人は私と長男・長女です。相続財産中に都心に近い200坪程の宅地が有りますが、15年以上前に夫が義父から相続で取得したものです。義母・夫の共有名義で、夫の持分は50%です。宅地の利用状況は、義母の自宅用敷地が6割、私どもの自宅用敷地が4割になっています。2次相続を考え宅地持分は全て子供達に相続させようと思いますが、非同居の娘がいる義母がこれ以上共有者が増えることに難色を示しています。持分通り分筆出来れば良いのですが、地型の関係で簡単では有りません。申告期限が近づいていますが、此の儘未分筆の状態が続くと小規模宅地等の特例が使えないので困っています。どうすれば良いでしょうか?

 

この方はどうやら、土地の未分筆と相続財産の未分割とを混同して居られる様です。申告期限までに、夫の共有持分50%をお子さん達が各2分の一ずつ相続すれば、小規模宅地等の特例は適用が可能です。件の土地の分筆云々は関係がありません。この場合の小規模宅地等の特例の適用対象面積は132㎡(660㎡x40%x1/2)になります。(注)

小規模宅地等の特例は、申告期限までに分割されていない特例対象宅地等には適用されません(措置法第69条の4④)が、本件は相続人の内2名が共有で取得する訳ですから、何の不都合も有りません。遺産分割協議は相続人全員3人で決めれば良い訳で、義母の同意は必要ありません。
語感が似ているので混同された様ですが、分筆とは一筆の土地を数筆の土地に法的に分割することをいうもので、相続税法の分割とは全く意味が異なります。
時間の制約もあることですから、先ずはお子さん2人が20%ずつ共有持分を取得され、その後時間を掛けて義母とお話をされるのが現実的な対応かと思います。

(注)共有持分権者の土地に関する権利は、その土地の全てに均等に及ぶこととされています。従って全体面積660㎡のうち、被相続人の居住の用に供されていた部分40%の2分の1が特例対象宅地等の面積になります。

*本記事に関する質問や相談をご希望の方は、お電話又はホームの「ご質問/お問い合せ」を利用してご連絡下さい。
 ご来店での初回相談は無料とさせて頂いております。
*申告その他の実務をご希望の方は、ホームの「料金のご案内」をご参照下さいます様お願い申し上げます。

関連記事: