売却も有効利用もできない空き家を相続してもその後どうしますか?

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総務省統計局が、平成25年住宅・土地統計調査を公表し話題になっています。取分け総住宅数に占める空き家の比率が増え続けており、全国平均では13.5%と過去最高に達したとのニュースは衝撃的でした。過疎化が顕著な四国では、何れの県もワースト5に入って居り、四国出身の私としては内心忸怩たるものがあります。
(注)平成30年住宅・土地統計調査の結果は、平成32年に公表される見込みです。

ところで、空き家比率の増加は地方だけの話ではありません。実は首都圏でも、同様の状況にあります。4都県の何れもが20%を超え、着実に悪化しています。人口や世帯数の減少に伴い、2023年には住宅総数に占める割合が20%を超えるとの予想もあります。
これに対し行政側では、空き家には宅地等に対する固定資産税の軽減措置を適用しないとか、地方自治体が条例で老朽家屋を強制的に取り壊しこの費用を持主に負担させると言った動きがあります。官が有効活用を促進して空き家を減らすのではなく、民に経済的な負担を課し自己解決を迫ろうと言う、如何にもお役所的な発想と言わざるを得ません。これが実情です。
そうするとリフォームを施し賃貸するか更地にして売るか、精々その辺りの対処しか思い浮かびませんが、言うは易く行うは難しで簡単な話ではありません。相続後に利用予定がない空き家については、早めに売却処分等を検討するのが良い様です。

 

都会の一等地であれば、大手不動産仲介会社が、空き家の売却を支援するサービスもある様です。幾つかのサービスが受けらますが、特筆すべきは築20年超の木造住宅の耐震性を無料診断して、希望があれば「耐震基準適合証明書」を発行するサービスです。
中古の一戸建てやマンションの購入に当り、住宅ローン控除が受けられるかどうかは買い手にとって重要な判断材料になります。木造の中古住宅であれば,最大10年間で4百万円の税額控除が受けらる可能性があります。但し、築20年以内との制約があります。
例外として、一定の耐震基準に適合すれば築20年超でもOKですが、それには耐震基準適合証明書の取付けが必要です。素人がこの証明書を取得するのは難しいと思いますので、大手仲介会社によるサービスが有用です。

ただ地方になると状況が異なります。多額の費用を掛けリフォームをしたとしても、容易に買手や借り手が見つかりません。放置すると家は朽ち果て、失火や倒壊の危険が出て来ます。更地にして買手を探すにしても、需給関係は大同小異でしょう。こうなると固定資産税や維持管理費用だけが発生する負の遺産になります。
金融資産など流動性が高いものは生前贈与して、処分が難しい不動産だけを相続財産として残す。子(相続人全員)が相続放棄をすれば、負の遺産を引き継がずに済む。頭の中だけで考えればこの様なアイデアも有りますが、いざ実行に移すとなると種々の問題があります。
⇒これに関しては別稿「負の遺産となる空き家や農地等の相続放棄に関する法制度の見直し」をご参照下さい。
 
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