住宅の購入・新築・増改築・リフォーム工事をした場合には、先ず住宅ローン控除の適用が頭に浮かびます。ところが親から相続した実家の売却代金で新築マンションを購入した場合など、住宅ローンを使わないことがあります。こうした場合に税理士でも失念しがちなのが、「認定住宅新築等特別税額控除」制度その他の適用です。住宅ローン控除に比べると少額ですが、折角の優遇措置なので活用しましょう。
1.制度の概要
(1)認定住宅の新築等をした場合の所得税税額の特別控除
①制度の概要
個人が、一定の認定長期優良住宅または認定低炭素住宅の新築・未使用認定住宅の取得をして居住の用に供した場合には、その年分(合計所得金額が3千万円以下に限る)の所得税額から標準的な費用の額の10%相当額(最大65万円)を控除します。住宅ローン控除の適用を受ける場合には、本制度の適用がありません。
②控除期間
適用が受けられるのは、居住の用に供した年分のみです。もし居住年の所得税から控除し切れない場合は、翌年の所得税から控除することが出来ます。
③確定申告書添付書類
認定長期優良住宅建築証明書や税額控除計算明細書その他を確定申告書に添付します。
(2)既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除
①制度の概要
個人が、昭和56年5月31日以前に建築された自己の居住の用に供する家屋の耐震改修をした場合には、その年分の所得税額から耐震改修に要した(標準的な)費用の額の10%相当額(最大20万円)を控除することが出来ます。住宅ローン特別控除の適用を受ける場合も、併用が可能です。その年分についての所得制限はありません。
②確定申告書添付書類
地方公共団体発行の住宅耐震改修証明書や税額控除計算明細書その他を添付します。
(3)既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除
①制度の概要
特定個人が、所有する自己居住用家屋に一定のバリアフリー工事・断熱改修工事・耐震改修工事等を行って居住の用に供した場合には、その年分(合計所得金額3千万円以下に限る)の所得税額から工事に要した(標準的な)費用の額の10%相当額(最大60万円)を控除します。住宅ローン控除または特定増改築等ローン控除を受ける場合には、適用がありません。
③確定申告書添付書類
増改築等工事証明書や税額控除計算明細書その他を確定申告書に添付します。
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