夫婦の共有財産である自宅の売却と買換えについてのご相談

Print Friendly, PDF & Email
郊外の自宅を売却して、都内への買換えを予定しています。自宅の売却見込み額は約1億円です。70年代に地主から2千万円で買った土地に、3千万円を掛けて注文住宅を建てたもので、これまで2回ほど改築を行っています。所有権は土地建物とも、私が5分の3で、妻が5分の2です。
このケースで、建物の取得費はどの様に計算すれば良いのでしょうか?3千万円控除は誰が受けられるのでしょうか?
この方の主たる転居理由は、独居されている高齢のお義母様の介護の便にある由です。そうすると相続が発生した場合に、居住用小規模宅地等に係る特例の適用要件を充たすかどうかも予め検討する必要があります。買換えではなく、借家にすることが有力な選択肢となります。ただ、奥様にはご兄弟が居られるため、ご本人の一存では簡単に決められない様です。本題に戻ります。

今回の売却で、適用の可能性がある優遇措置としては、①3千万円控除と②買換えの特例の2つがあります。②は納税時期の繰延制度ですから、一般には①の方が有利になります。
*注 買換え特例は、譲渡収入が1億円を超える場合には適用が受けられません。これに対し3千万円控除は、この様な金額制限がありません

共有の自宅を売却したとき、3千万円控除が受けられるかどうかは共有者ごとに判定します。お二人とも要件を充たしていれば、最大2人で6千万円の控除が可能です。2人合計で3千万円ではありません。

ここで注意を要するのは、家屋は共有ではなく土地のみが共有の場合、家屋の所有者以外は原則的に3千万円控除が受けられないことです。但し例外があって、次の3条件の全てに該当するときは、土地のみの所有者に付いても3千万円控除の適用が受けられます。
イ.敷地を家屋と同時に売ること
ロ.家屋の所有者と敷地の所有者が親族関係にあり、生計を一にしていること
ハ.その敷地の所有者は、その家屋の所有者と一緒にその家屋に住んでいること

最後に建物の取得費の計算ですが、購入価額ではなく時の経過に応じた減価償却費を控除した金額となります。構造・用途・細目に応じた耐用年数と償却率(通常の耐用年数に1.5を乗じた年数に応じる旧定額法の償却率)を用いて計算します。貸家など業務の用に供した期間が有る場合には、償却率が異なるので気を付けましょう。
設例の様に、事後の設備費や改良費の支出が有る場合には、その時点で資産を取得したものとして別途に償却費の計算を行います。

*本記事に関する質問や相談をご希望の方は、お電話又はホームの「ご質問/お問い合せ」を利用してご連絡下さい。
 ご来店での初回相談は無料とさせて頂いております。
*申告その他の実務をご希望の方は、ホームの「料金のご案内」をご参照下さいます様お願い申し上げます。

関連記事: