従業員持株会から引き出した上場株式の譲渡所得に係る確定申告のご相談

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勤務先(上場企業)の持株会で取得した株式を上手く高値で処分出来ました。ところで先生のHP「Q&Aコーナー」の「持ち株会で取得した株式の譲渡所得に関連するご質問」の回答中に ”例外的に、社員持株会から引出したときの名義書換日を取得日として、その日の終値をその株式の取得費とすることが認められています” との記載があります。これは平成27年度の確定申告にも適用される制度でしょうか。すでに終わった制度でしょうか。

  

この取扱いは現在も生きています。投資等報告書等が無い場合や、投資等報告書等では原則通りの取得費が計算出来ない場合には、名義書き換え日の終値を基に取得費を計算することが認められています。

持株会を通じて取得した株式の取得費は、定期的に会員に通知される投資等報告書に記載された、拠出金額・取得株式数・簿価単価を基に計算するのが原則です。また退会した場合や一部を引き出した場合には、退会(引出し)精算書が交付されますので、これを基に計算することも可能です。
ところが何等かの事情で投資等報告書等が無い場合や、投資等報告書等では原則通りに計算できない場合には、株券の裏面に記載されている名義書き換え日の相場を基に取得費を計算しても差し支えないとの取扱いがあります。

なお、ご指摘の記事中に「上場株式等の取得費の特例」に触れた件があります。この特例は、平成13年9月30日以前から所有していた上場株式等を、平成15年1月1日~平成22年12月31日の間に譲渡した場合は、平成13年10月1日の終値の80%相当額を以て取得費とすることが出来ると言う制度でした。原則通りに計算した金額と、特例金額の何れか有利な方を選択できると言う重宝な制度でしたが、平成22年度税制改正で廃止されています。

 
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