■京都 上賀茂・下鴨神社

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上賀茂神社の祭神は別雷神(わけいかずちのかみ)、下鴨神社の祭神は玉依姫(たまよりひめ)と賀茂建角身命(たけつのみのみこと)です。玉依姫は別雷神の母親で、建角身命は玉依姫の父ですので、両社は言わば血縁関係にあります。建角身命は勇猛な武将で、神武天皇の東征に従い葛城から大和へと遍歴した後に賀茂川上流域に止まり、地場豪族になったとの伝承があります。建角身命には玉依姫のほかに子があり、これが長じて賀茂県主となりました。後の鴨一族の系譜に繋がります。古事記や日本書紀に、建角身命の化身と言われる八咫烏(やたがらす)が登場します。日本サッカー協会のシンボルマークになっているあの烏です。この辺り古代神話の信憑性はともかくとしても、続日本記には葵祭の警備に関する記述が有りますので、遅くとも6世紀以前に創建されたのは確かな様です。
賀茂神社は京都一の宮たる守護神として崇められていますが、これは桓武天皇の平安京遷都に当り地元有力豪族である賀茂氏との折り合いをつける必要から、最高位の神階を授け葵祭も勅祭としたことに由来します。往事の賀茂氏が両神社を奇貨として、それだけ宗教的な影響力を持っていたと言うことでしょう。
下鴨神社の境内には、TVのロケ撮影によく利用される糺(ただす)の森があります。賀茂川と高野川の合流地点に広がるシイやケヤキなど広葉樹の原生林で、樹齢2-6百年の老木が生い茂っています。森を流れる小川は地下水の湧出したもので、かつては潔斎の場として用いられていた様です。これは源氏物語にも登場します。
糺の森を抜けると、こじんまりした神社があります。若い女性に絶大な人気を誇る河合神社ですが、境内には可愛く描かれた鏡絵馬がずらりと奉納されています。河合神社は賀茂神社の摂社の一つで、鴨長明所縁の神社としても知られています。次回は方丈記を取り上げる予定です。

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