平成27年税制改正で子供版NISAを創設、一般NISAも非課税枠拡大

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先に行われた総選挙は、事前の予想通り自公与党連合の圧勝に終わりました。これを受け安倍首相は、アベノミクスが国民の信任を得たとして、円安対策や個人消費喚起に重点を置く経済対策を年内に纏める方針を明らかにしています。
この一環として、平成27年度税制改正要綱の中味が間もなく明らかになる見込みですが、この中には一般NISA(少額投資非課税制度)の非課税枠拡大のほか、子供版NISA(ジュニアNISA)の新設が織り込まれています。
個人金融資産の世代間移転を促進し、併せて市場活性化のために貯蓄から投資へとマネーの流れを変えるとの理由付けですが、根底にはアベノミクスに対する評価指標としての株価をテコ入れしたいとの事情がある様です。期待に反し、選挙後の株式市場が当面の材料出尽くしとして、軟調に推移しているのは何とも皮肉な結果ですが。

ジュニアNISAとはどう言った内容でしょうか?8月に公表された金融庁資料から、簡単に纏めて見ました。
①一般NISAでは認められていない、未成年者の少額投資非課税口座の開設を認める。
親や祖父母などの親権者等が代理で運用を行う。
子や孫への贈与には、暦年贈与の非課税枠110万円を使用する。この中で年間80万円の贈与を行うことになる。非課税枠110万円を超えれば、贈与税の確定申告が必要。
投資上限は年80万円、非課税期間は5年とする。従い累積非課税限度枠は4百万円
18歳までは払い出し制限を課する。引き出すと過去の配当や譲渡益に課税される。
口座開設は平成28年1月1日から、上場株式の口座への受入は同4月1日より開始する。

今回の制度は英国のジュニアISAや米国の529プラン(教育資金積立制度)を参考にしています。腑に落ちないのは②と③です。従来日本の課税当局は、贈与の体裁は取っても贈与者の管理下にある預金は、所謂名義預金として否認してきました。ところが、ジュニアNISAの株式や投資信託について認めるのでは、税制に於ける整合性がとれません。

18歳まで払出し制限を設ける一方で、非課税期間は一般NISA並の5年据置きです。そうすると非課税期間満了時に、別の非課税口座に移管したとしても、80万円超の部分については課税扱いになってしまいます。贈与時から18歳までの期間が長ければ長い程、非課税効果が減殺されると言う不都合が生じます。

平成26年度の一般NISA買付可能期間が間もなく終了します。大手証券会社情報に拠れば、稼働率は40%前後に止まっています。投資家の不慣れの他に、制度の使い勝手の悪さが起因している様です。
具体的には譲渡損失が出ても一般口座や特定口座の様な損益通算が出来ない、一旦手仕舞うと以降その元本相当額が利用できなくなるため売りのタイミングが難しいた言った点です。ジュニアNISAも基本的には同様です。恐らく此の儘では、直系尊属からの教育資金一括贈与非課税制度の様な、相続対策としての広がりを期待するのは難しいでしょう。利便性向上のための更なる改善が望まれます。

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