企業版ふるさと納税は、もう一工夫がないと普及しないのでは?

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平成28年の税制改正で、4月1日から企業版ふるさと納税制度(地方創生応援税制)が導入されしました。
”志のある企業による地方創生への貢献”との崇高なる理念のもと、個人版ふるさと納税の人気にあやかって類似名称でスタートさせた様ですが、どう贔屓目に見ても中小企業が積極的に活用するとは思えません。
何故でしょうか?個人版ふるさと納税と違って、寄付をする側にメリットが無いからです。個人版であれば2千円の負担をすることで何がしかの特産品が得られます。ところが企業版の場合は、この様な特典がありません。全額損金算入に加え新たに3割の税額控除を認めたとしても、依然寄付金の4割は社外流出することになります。寄付とはそもそもその様なものだと考えているならば、郷土愛に訴求したものの不人気をかこった当初個人版の二の舞になりかねません。企業とは、営利を追求するものですから損得で動くのが基本です。

官公庁作成のパンフレットには、”企業にとっても企業イメージのアップに繋がる”と書いてあります。先般、北海道を地盤とする全国展開の家具チエーンが、夕張市に4年間で5億円の寄付をすると言う記事が全国紙に掲載されました。態々公表する辺りIR上の思惑が透けて見える様で曰く言い難しですが、一般にはふるさと納税で自己PRして、この種の効果を期待するのは難しい様に思います。

簡単な税制です。以下要点を纏めましたのでご参照下さい。

<地方創生応援税制の概要>
1.対象となる寄付
  ①地方版総合戦略を策定する地方公共団体(東京23区など地方交付税の不交付団体を除く)への寄付であること
  ②企業が本社を置く地方公共団体への寄付でないこと
  ③仕事創生や結婚・出産・育児に関する事業で国の認定を受けたものへの寄付であること
2.寄付をした企業に対する地方公共団体の制約
  ①寄付の代償として経済的利益を与える行為を行ってはならない
    入札や許認可での便宜を図る・寄付の一部を補助金として供与する・有利な利率で融資をする・その他
3.優遇措置の内容
  ①現行の損金算入措置に加え、法人事業税・法人住民税・法人税から税額控除を行う
  ②控除額の割合は下表の通りで、合計で寄付額の3割とする
  ③1事業当たりの寄付額の下限は10万円とする

 

控除額 控除額の上限
法人事業税 ①寄付額の10% 法人事業税額の20%
法人住民税 ②寄付額の20%
・道府県民税法人税割から5% ・道府県民税法人税割の20%
・市町村民税法人税割から15% ・市町村民税法人税割の20%
法人税 ③法人住民税で控除出来なかった額 法人税額の5%

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