同族会社が気を付けねばならない3つの制度

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同族会社では特定の株主の意向が経営に反映されるため、他には見られない経済合理性のない租税回避行為が行われることがあります。これを規制する目的で、同族会社にだけ適用される3つの規定が設けられています。

1.同族会社の意義

同族会社とは、株主等の3人以下並びにこれ等と特殊な関係にある個人及び法人が有する会社の発行済株式数又は出資金額が、会社の発行済株式総数又は出資金総額の50%を超える一定の会社を言います

2.同族会社にだけ適用される3つの規定

役員及び使用人兼務役員の範囲
法人税法上の役員とは、会社法等の規定による取締役・執行役・会計参与・監査役・理事・監事のほか法人の使用人以外で経営に従事している者を言います。ところが、同族会社の場合は、法人の使用人でも一定の株式を保有し且つ経営に従事している場合は見做し役員とされます。
何が不都合かと言えば、役員給与には損金算入に関する種々の制約があるため、見做し役員に認定されるとこれに抵触する場合が出て来るためです。
また同族会社の一定の株式を保有する役員(特定役員)は使用人兼務役員になることが出来ません。使用人兼務役員の使用人分給与は、原則として損金算入に関する制約を受けませんが、これが認められないと言うことになります。
行為又は計算の否認
税務署長は、同族会社の行為又は計算で、容認した場合には法人税の負担を不当に減少する結果になると認められるものがあるときは、それ等に拘らず税務署長の認めるところにより法人税の計算をすることが出来ます。実際に適用される事例は多くありませんが、法律で税務署長に認められた権限ですので留意しなければなりません。
(*ご参考)同様に、組織再編成(合併・分割・現物出資等を言います)に関する更正又は決定権限が税務署長に与えられています。

留保金課税
同族会社では、配当を行わず利益を内部に留保する傾向があります。そこで同族会社が一定額以上の利益を内部留保した場合は、通常の法人税に加えて、留保額に対する特別の課税(10%~20%の特別税率)が行われます。
同族会社のうち、留保金課税が行われるのは特定同族会社だけです。特定同族会社とは、株主の1グループに発行済株式総数や出資金総額の50%超を所有されている被支配会社を言いますが、株主の中に被支配会社でない法人がある場合は、これを株主や出資者から除外して判定します。例えば上場会社の100%子会社は、特定同族会社になりません。また資本金又は出資金が1億円以下の法人も、原則として特定同族会社には該当しません。

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