賃貸マンションやアパート建設による相続税対策のデメリット

Print Friendly

このところ、首都圏の住宅地価がやや反転傾向にあります。
尤もマクロ的に見れば、高齢化や人口減少による需給の悪化は避けられそうもないので、好調も精々2020年の東京オリンピックまでと言われています。

ところで、アパート建設による相続税対策を謳ったプレハブメーカー等の新聞公告をしばしば目にします。ただこれが有効に機能するのは、交通の便が良い未利用地であること、建設費用の相当部分を自己資金で賄えること等、一定の条件が当て嵌まる場合に限られることに注意しましょう。借入で支度をアパート併用住宅に建て替えるなどはお勧めできません。
何が不都合なのか、具体的に検討して見ましょう。

先ず相続税対策が必要な対象地です。100坪(330㎡)以下の居住用宅地等であれば、8割の小規模宅地等の評価減の適用が受けられます。態々相続税対策を講じる必要は有りません

アパート経営に於ける最大の懸念は空室リスクです。特に建設資金を借入金で賄った場合には、ローン返済が出来なくなる可能性があります。入居者がいても期待賃料では貸せないケースもあるでしょう。金利変動リスクも考慮しなければなりません。

プレハブメーカーや不動産仲介会社には、有期で家賃保証や一括借上げをする処があります。一般に、サブリース契約と呼ばれています。これがあれば万全と思われるかも知れませんが、世の中そう甘くありません。この家賃保証や一括借上げが曲者なのです。

当然ながら、リスク相当分だけ業者から支払われる賃料は相場より安く設定されます。築後10年を過ぎると、どうしても老朽化等により空室が増え、また計画賃料では貸せなくなります。こうなるとサブリース会社は契約に基づき、賃料の値下げや営繕・改修を要求します。これでキャッシュフローが厳しくなります。

空室のある貸家については、相続税の評価減の適用が認められない場合があります。相続発生時に、2ヶ月以上空室状態が続いて居るとその可能性が高くなります。

賃貸物件は、一般住宅に比べると相続後に処分し辛らいのもデメリットです。
売り急いで買い叩かれ、建設資金が回収できなくなる可能性があります。アパートの解体費用が掛かるため、敷地部分の評価が下がることも考えられます。相続税をセーブした金額以上に不動産価値が減少したのでは、対策を施したことが裏目になって仕舞います。

最後に、共同相続人間の遺産分割で制約が生じることです。相続人が複数かつ主要財産が賃貸不動産ですと、持分の共有或いは代償分割の方法に拠ることが避けられません。持分共有は、相続以降の管理が大変だとか処分に関する意思決定が纏まらないと言った問題があるため、避けたほうが賢明です。
代償分割ですが、現物取得者である相続人に余程の資金調達力がなければ難しいでしょう。また代償資産が金銭以外の場合は、譲渡所得が生じる可能性があります。

*本記事に関する質問や相談をご希望の方は、お電話又はホームの「ご質問/お問い合せ」を利用してご連絡下さい。
 ご来店での初回相談は無料とさせて頂いております。
*申告その他の実務をご希望の方は、ホームの「料金のご案内」をご参照下さいます様お願い申し上げます。

関連記事: