相続税の税務調査の現状について

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相続税の確定申告で税務調査が入る確率はどの程度あるのか、何時ごろ税務調査が入るのか、どの様な種類の相続財産に否認が出易いのか等に付いては税理士ならずとも知りたい処です。
今回は東京税理士主催の研修会での講義内容や配布資料を基に、この辺りの情報を整理して見ました。

1.確定申告が必要な相続の割合ほか(国税庁発表)
平成28年中に亡くなられ方は131万人で、うち相続税の申告を要するものは10.6万人(全体の8.1%)です。既に平成27年に基礎控除の引下げが実施されていますので、当面はこの水準で推移するものと思われます。
1相続当り課税価格の平均は1.4億円で、金額構成比率は土地38%・現預金31%・有価証券14%・建物6%の順になっています。

2.相続税の調査の状況(国税庁発表)
平成28事務年度に実地調査が行われた件数は1万2千です。5件に1件の割合で税務調査が入ることになります。この内申告漏れを指摘されたのは8割強で、他税目に比べると突出して高い割合です。申告漏れ課税価格の平均は27百万円で、その追徴税額は6百万円になります。この内悪質な仮装隠蔽が有ったとして重加算税を課されたのは13百件で、実地調査件数の1割強に達します。

3.税務調査の実施時期
確定申告をしてから1年又は2年を経過する年の秋に税務調査が入ることが多い様です。理由は毎年7月初めに税務職員の人事異動が行われるためです。これを過ぎて新たに税務調査が入ることは滅多にありません。

4.申告漏れ相続財産の構成比率とその理由
  土地等37%・現預金33%・有価証券16%・建物2%の順です。主な否認理由は次の通りです。
  ①土地等
  小規模宅地等の特例や広大地の評価の適用誤り、国内の遠隔地にある土地等や海外不動産の申告漏れが主な原因です。
  ②現預金
  家族名義借り預金は例外なく調査対象になります。被相続人からの生前贈与も同様です。葬儀費用支払の為、相続発生の前後に被相続人口座から引出した手許現金も申告漏れになるケースが多い様です。
  ③有価証券
  家族名義借り株式や投資信託の申告漏れ、非上場株式の評価方式や評価計算の誤りが主な原因です。
  ④建物
  固定資産税評価額に倍率1を乗じるだけの簡単な計算なので申告漏れは多くありません。但し、固定資産税評価額に反映されていない費用支出がある場合は注意が必要です。例えばリフォーム費用です。もし家屋調査員が見逃せば、固定産税評価額には反映されません。ところが相続税調査では被相続人口座からの大口出金がチエックされますので、リフォーム費用も簡単に補足されます。新築や増改築の中途に被相続人が亡くなった場合も同様の申告漏れが起きます。因みに建築中の家屋は課税時期までに投下された費用現価の7割で評価します。

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