消費税率10%引上げ対策として2つの住宅取得等資金贈与の非課税限度額が設けられて居り、最大42百万円の適用が受けられます

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父母や祖父母など直系尊属から金銭の贈与を受け、住宅用家屋の新築・取得・増改築等をした場合に、一定の要件を満たせば贈与税の非課税措置の適用を受けることが出来ます。平成29年度税制改正で、この適用を短期間に2回続けて受ければ、最大42百万円の贈与を非課税にすることが可能になりました。消費税率引上げに伴う景気対策としての税制改正が思わぬ節税効果を齎すことになりそうです。

本制度には2つの非課税限度額があります(措置法第70条の2)。住宅資金非課税限度額特別住宅資金非課税限度額です。簡単に言えば、前者は現行の8%の消費税率が適用される住宅の新築等に係る非課税限度額で、後者は令和元年10月に改定後の10%の消費税率が適用される住宅の新築等に係る非課税限度額です。特に後者の非課税限度額が大きく、平成31年4月1日から令和2年(2020年)3月31日の間に結ばれた省エネ等住宅契約であれば最高3千万円になります。受贈者は20才以上で合計所得金額が2千万円以下であることが必要です。各制度の適用時期や非課税限度額については下欄をご参照下さい。
住宅資金非課税限度額及び特別住宅資金非課税限度額ともに、既に本制度の適用を受けて贈与税の課税価格に算入しなかった金額を控除した残額が実際の非課税限度額になります。ところが例外規定が設けられて居り、令和元年3月31日以前に住宅新築等に係る契約を締結している場合は、この新築等に係る住宅資金非課税限度額の適用額を特別住宅資金非課税限度額から控除する必要がありません。この例外規定を巧く使えば次の様な節税策(世代間の無税財産移転)が可能になります。因みに措置法第70条の2④で、非課税措置の適用を受けた特定受遺者が一定の事由に該当した場合の不適用について書かれていますが、この該当事由に居住の用に供したのち短期間での売却処分は含まれていません。

ⅰ)平成29年12月に自己資金38百万円と親からの援助Ⅰ2百万円で、50百万円のマンションを購入して自己の居住の用に供します。
この年の贈与税申告では12百万円の非課税措置の適用を受けます。期限内申告と適用を受ける旨の記載並びに計算明細書の添付などが条件になります。
ⅱ)平成31年4月にこのマンションを売却します。売買価額は買値と略同額と仮定します。譲渡損益は僅少です。
ⅲ)令和元年の8月に新しい居住用マンションの購入契約を結びます。引渡しは同年11月で価額は80百万円。売却資金50百万円と親からの追加援助30百万円で賄います。
この年の贈与税申告では、30百万円の非課税措置の適用を受けます。

ところで住宅取得資金贈与の非課税特例については、2つの適用誤りが多い様です。一つは受贈者の所得要件でその年分の合計所得金額が2千万円超の場合は適用が受けられません。二つ目は住宅ローン控除との重複適用を受ける場合で、住宅の取得価額から贈与を受けた金額を控除する必要があります。

イ.住宅用家屋の新築等に係る消費税率が8%の場合
住宅用家屋取得の契約日 省エネ住宅 その他の住宅
       ~H27.12.31 1500万円 1000万円
H28.1.1~R2.3.31 1200万円 700万円
R2.4.1~R3.3.31 1000万円 500万円
R3.4.1~R3.12.31 800万円 300万円
ロ.住宅用家屋の新築等に係る消費税率が10%の場合
住宅用家屋取得の契約日 省エネ住宅 その他の住宅
H31.4.1~R2.3.31 3000万円 2500万円
R2.4.1~R3.3.31 1500万円 1000万円
R3.4.1~R3.12.31 1200万円 700万円

 
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