賃貸マンションの生前贈与に伴う共用部分の評価方法に関するご質問

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この度、長女に賃貸用ワンルームマンションを贈与しました。3年前に築20年の物件を650万円で購入したもので、来年3月には贈与税の確定申告をする必要があります。ところでマンションの建物については、専有部分のほかエントランス等の共有部分も含めて申告しなければならないそうです。専有部分の固定資産税評価額は課税明細書をみれば分かりますが、共有部分はどうやって調べれば良いでしょうか?

 

結論から申し上げますと、課税明細書に記載された評価額を1.0倍したものがマンションの建物部分の評価額になりますので、その他に調査する必要はありません。なお、賃貸の場合は貸家としての評価になりますので、これから借家権割合30%相当を減額します。

分譲マンションなど区分所有法の対象となる建物は、構造上区分された専有部分とエントランス・階段・集会室など共用部分に分かれます。このうち区分建物として登記されるのは、専有部分の床面積専用面積)です。専有部分を所有する権利(区分所有権)だけが、自由に利用・売却できる対象になります。ところで、一般の建物の床面積が外壁の中心線によって求められるのに対し、区分所有建物の床面積は、区画壁の内側面積により登記されます。分譲時のパンフレットには、壁芯計算による専有面積が書かれていますので、両者には差異が生じるのが一般的です。

建物の区分所有に関する法律(下段ご参照)により共有部分を勝手に売買することは出来ませんが、専有面積に応じた持分を所有していますので、相続(贈与)財産としては専有部分に共有部分の持分を加えて評価する必要があります。

一方、地方税法では、区分所有に係る家屋に対する固定資産税等は、区分所有に係る一棟の家屋全体の税額を算定し、それを区分所有者毎に配分して夫々が納付すべき税額としています。つまり各区分所有者の専有面積に供用面積を加えたものを課税床面積現況床面積とも呼ぶ)としている訳です。課税明細書の課税床面積欄に記載されています。

この様に、相続財産しての課税範囲と区分所有権者に対する固定資産税等の課税範囲が一致していますので、課税明細書に書かれた固定資産税評価額をその儘用いればよいことになります。

 

<建物の区分所有等に関する法律の抜粋>

第十四条共用部分の持分の割合)
 ① 各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。
 ③ 前二項の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。
 第十五条(共用部分の持分の処分)
 ① 共有者の持分は、その有する専有部分の処分に従う。
 ②  共有者は、この法律に別段の定めがある場合を除いて、その有する専有部分と分離して持分を処分することができない。
<区分所有建物の課税床面積計算>
ィ.一棟の家屋の評価額の算出
 区分所有以外の家屋と同様に、固定資産評価基準を用いて一棟全体の1平方メートル当たり再建築費評点数を算出します。 

ロ.各区分所有者の床面積の算出
 各区分所有者の床面積は、次の算式により求めます。
 床面積 = ア.専有面積 + イ.共用面積 
   ア.専有面積
     原則として、不動産登記法により定められた内壁で囲まれた部分の面積(登記簿に記載された面積)です。 
   イ.共用面積
     一棟全体の床面積から各専有面積の合計を引いた床面積を、各専有面積の合計専有面積に対する割合に応じて按分した面積です。 

 

 

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